2000/06/29
昨日から今日にかけて、何と5本も弦が切れました。A2本,G2本,C1本。そのうち3本はサイレントチェロです。ガットを使っていると、この季節はヒヤヒヤものです。何せ、弾いているわけでもないのに突然切れるのですから。ただ、切れる時も「プチッ」とはじけるのではなく「ぼそっ」と伸びるような切れ方なので、そんなに怖くはないのですが。結局、サイレントチェロは4本ともスピロコアに戻しました。梅雨の間だけの期間限定の予定。普通のも、とりあえずAはシノクサにしました。予備の弦を早く補充しないと。ボーナスの季節とはいえ、お金が飛んでいってしまいますよ。というわけで、私のチェロの使用弦についてを更新。
2000/06/13
一昨日、八幡市民オーケストラの定期演奏会が終了しました。聴きに来てくださった方々、どうもありがとうございます。今回の演奏会のツボは、何といってもベートーヴェンの交響曲第4番でした。ベートーヴェンの交響曲のなかでも、この曲ほど様にならないのは他にないでしょう。一人で弾けても、他のパートとの絡みを合わせる方が数段大変なのですから。で、合わせたからといって、派手に聴きばえがするというものでもない。私個人的には好きなのですが、一般うけしないという、何ともマニアックな曲です。
後の2曲(こうもり序曲と展覧会の絵)は、以前弾いたことがあったので、そのリベンジは果たせました。
というわけで、本日は今までのステージ記録とこれからの演奏会予定のページを更新。
2000/06/09
また向山佳絵子さんの話。まだ彼女が東京藝術大学の学生だったころ、彼女の出演するコンサートを2回聴きにいっています。
一つは大原美術館のギャラリーコンサートで、岩崎淑(Pf),原田幸一郎(Vn),ポール・コレッティー(Va)というメンバーの中の一人として、ピアノ三重奏・四重奏を見事に弾きこなしていました。音楽的な主張で他のメンバーに一歩も引けをとっていないばかりでなく、そのアンサンブルのうまさには目(耳)をみはるものがありました。一番前の席でかぶりつきで聴いたので、このコンサートの事はよく覚えています。
もう一つは東京藝術大学のチェロ専攻学生によるアンサンブル「The Cello」の岡山公演です。このとき、彼女は4回生でしたが、ブラジル風バッハ第1番(ヴィラ・ロボス),主題と変奏(クレンゲル)等で1番を弾き、更には讃歌(クレンゲル)では5番と、他の学生とは一線を画すパートを担当しています。他の全員による合奏でも、ほとんどが1番のパートです。この時も、その音楽性やアンサンブルのうまさで、他の学生を圧倒していました。こちらの演奏会も非常に印象に残っています。この演奏会には、私がプロとして名前を知っているだけでも、斎藤千尋さん、村井将さん、大島純さん、林裕さんというそうそうたる面々が出演してられて、今考えるととても充実した人材が揃っていたんだなぁと思います。
そういえば、このころに既に彼女がかなりの大物の人材だとは感じていました。それを考えると、あれから約12年たってのこのバッハの録音というのは、とても納得できます。大袈裟かもしれませんが、彼女の演奏にはオーラらしきものが感じられます。これからも地道に活躍してくれることを期待します。
2000/06/08
先日買ったバッハの無伴奏チェロのCD、やっぱり向山さんの方を愛聴してます。中でもお気に入りは5番。もともとスコルダトゥーラ調弦(A線をGに下げてます)したチェロのために書かれているので、曲のツボに高いG線の開放がはまってたりして、たまりません。私自身、この太い高音の響きが好きなんでしょうね。実際、このチューニングって、演奏に慣れるのに少し時間がかかるので、普通のAチューニングのまま演奏している録音も多いんですよ。それを、敢えてCD録音で実行した向山さんには、大きな拍手を送りたいです。
今、自分での演奏は5年位前から封印してるんだけれども、このCDをきっかけに封印が解けてしまいそうです。弾きたい・・・・・。大学時代には、Becker校訂のPeters版で自分なりにさらっていましたが、今度は原典版を自分なりに解釈してみようと思っています。今はPetersの原典版しか手元にないので、まずベーレンライター版を手に入れるつもり。もう一つトルトリエの校訂版を持っていますが、これも解釈には役に立ちそう。とはいっても、書いてある通りに弾こうとは思わないですが。
で、更新は、加賀屋病院のページと音楽関係のリンクのページ。加賀屋病院は診療体制の若干の変更、リンクは、リンク先の修正のみです。
2000/06/04
昨日、バッハの無伴奏チェロ組曲のCDを2組購入。今聴いてます。先日書いた、藤森亮一さんと向山佳絵子さんの演奏。この2組、当たり前だけれども、全くアプローチの仕方が異なります。両方買って聴き比べをお薦めします。 アプローチの仕方の違いといえば古楽器とモダン楽器というのが代表的ですが、そういう違いではなくて、曲の流れ方が全く違うのです。言葉で表現するのは難しいのですが、語りと誦みとでも申しましょうか。これは、優劣ではなく、好みの問題になってきます。私は、どちらかといえば向山さんの演奏の方が好きです。
藤森さんの演奏は、句読点のはっきりしたもので、口下手のおじさんがぽつぽつとしゃべっているような印象。はじめは、「あれっ」と思うところもあったのですが、聴くほどに味わいが出てきます。 「語り」系の演奏と言えばビルスマさんなのですが、この人は昔話とかが上手なおじいさんみたいな感じで、またちょっと違います。
向山さんの演奏は、どちらかというと流れ重視。とても流暢に流れます。先程の言い方をすれば、しゃべりの上手なアナウンサーみたい。文句なしに納得できる演奏です。「流れ」のいい演奏としては、ヨーヨーマの旧録音だと思うのですが、こちらはひたすらしゃべりまくっている司会者(黒柳徹子さん)みたいな印象で、聴き比べてみるとおもしろいです。
チェロ弦のアンケートが届いていたので、集計ページを更新。だいぶデータが集まってきていますが、やはりA,Dはラーセンかヤーガー、G,Cはスピロコアというのが一般的なのかなぁ。弦の選択肢は一昔前に比べて数倍多くなっているような気がするのになぁ。ここ数年で新発売された高価なスチール弦をご使用の方、ぜひ感想をお聞かせください。
来週6月11日は、八幡市民オーケストラの定期演奏会。八幡市文化センター大ホールで14時30分開演です。チケットご入り用の方は、「八幡市民オーケストラのチケットちょうだい」というタイトルでyoshiken@da.mbn.or.jpまでメールでご請求を。