私の音楽歴|チェロについて|岡山大学交響楽団|音楽関連リンク集|掲示板
音楽を演奏する上での私の信条は、「基本は低音」です。ファゴットを吹き始めたときはそんなことは思っていなかったのですが、次第に低音の魅力(魔力?)にとりつかれ、好んで低音を練習するようになっていきました。大学に入ってオーケストラで楽器を変わるときも、低音のチェロを選びました。音域がファゴットに近いため、余り違和感なく変わることができました。現在でも、パートが二つ以上ある曲では、好んで音の低いパートを演奏しています。
複数の人間で音楽を演奏するときには、「アンサンブル」という概念が必要になってきます。日本語に訳すと「合わせ」とでもいうのでしょうか。服でいうアンサンブルを思い浮かべていただければ、大体はずれてはいないと思います。一人で演奏しているときには、自分自身で完結していればいいのですが、複数の人間で演奏するとなると、何らかの形で音楽の流れを合わせることが必要になります。アンサンブルとは、そのことを指しています。
私は、アンサンブルの基本は「デュエット(二重奏)」であると確信しています。それ以上の人数での演奏は、その応用編といえると思います。デュエットの時は、自分と相手との関係が対等である方が演奏していても聞いていても楽しいです。先生と生徒というパターンでレッスンの中でデュエットをすることも多いですが、技術ではなく音楽の上で対等な関係にある方が楽しめます。一対一でお互いの音楽をぶつけ合いながら一つの流れを創っていくのが、デュエットを演奏する醍醐味といえるでしょう。
1998年2月、長谷川陽子さんのページからリンクを張っていただいた際に、私の思いをメールに書いて送りました。以下の文章は、そのメールの内容の一部で、「おしゃべり広場」に掲載されたものとほぼ同じ内容です。
私は、大学に入ってからオーケストラのサークルに入り、そこでチェロを始めました(今から13年前のこと)。はじめのうちは、2つ3つ年上の、これまた大学からチェロをはじめた先輩に弾き方を教わりました。田舎の大学(岡山)でしたので、プロの先生は年に2回ほど東京から呼んで来てもらうのみで、あとは自分たちですべて練習しなければいけませんでした。そんな状態ですので、根拠のない変なことが流行ったり、どうでも良いようなことがまことしやかに先輩から後輩に押しつけられたりしていることも多々ありました。私も色々矛盾を感じながら悶々と大学オケ生活を送っていた次第です。
3回生ごろから、その矛盾を理論的に整理してみようという気が起こりはじめ、弓の持ち方や構え方、耳の鍛え方などの研究をはじめました。そのなかで気付いてきたのが、まず楽器を響かせてあげないと、何をやってもどうしようもないということです。4回生になってトップをするようになってからは、パート練習の時には、どうやったらみんなが良く響く音を出せるのかにほとんどの時間を割いて練習してしまいました。今考えると、極端なことをしすぎたとも思っていますが、この「楽器を響かせる」というのが、「溢れ出る個性」とあわせて私の音楽をつくる上での大きな柱であることは今も変わっておりません。
大学を卒業(同時にオーケストラも追い出される)してからも、夏の合宿練習だけは毎年OBとして遊びに行っていました。合奏練習等には参加しないので、ぶらぶらしているのも何だし、コンサートの曲に乗らない1回生のお相手でもしてみようかというところから発展して、現在はトレーナーとして年数回母校(母オケ?)にチェロを教えに行っております。
私がきちんとプロの先生について習いだしたのは、今から3年ほど前からです。それまで一人で苦労していてどうしてもできなかった事ができるようになったり、自分で考えてやっていたことが正しかったというのがわかったり、不安な部分が少しずつ減っていったのは事実です。音色も確実にレベルアップしました。
ちゃんと習いだしたことで、自分に対して少しだけ自信がつきました。それと同時に、プロの先生は、(特にレイトスターターの)アマチュアが本当に苦労している部分を解決する方法は教えてくれない(教えることができない?)ことが多いというのもわかりました。私のページは、この教えてくれない部分をどうやって克服するのかに重点があります。つくりはじめた直接のきっかけも、自分がチェロを弾く上で困ったり苦労した部分は、一般のメソッドには書いていないし、後輩にきちんと伝えるためにも自分でまとめておかないといけないと思ったからです。今後輩に教えていて、個人差はあるにしろ苦労するところは皆大体同じであるのも分かってきました。
プロの先生方からみると、甚だ幼稚な記述も、間違った記述も多々あるとは思います。しかし、そういう部分は私なりに答えの出ていない部分でもあると思うのです。そういった部分を指摘して頂ければ、私としても考え直す事ができますし、どちらかといえば色々な意見が聞きたいというのが本音です(長谷川陽子さんの意見も少し聞きたかったりします)。